水道管の破裂と聞くと、壁の中や床下からの水漏れを想像しがちですが、実はトラブルは家の中だけで起こるわけではありません。私たちの知らないうちに、庭や敷地の地面の下に埋まっている屋外の水道管が破裂し、静かに水が漏れ続けているケースも少なくないのです。普段目にしない場所だけに発見が遅れやすく、気づいた時には水道料金が跳ね上がっていたり、家の基礎にまで影響が及んだりする深刻な事態に発展することもあります。 では、この見えない敵である地中での水道管破裂を、どうやって発見すれば良いのでしょうか。いくつかの重要なサインがあります。まず、最も分かりやすいのが「地面の異常」です。雨も降っていないのに、庭の特定の場所だけがいつも湿っている、あるいはぬかるんでいる。または、その周辺の芝生や雑草だけが不自然に青々と元気に育っている。これらは、地中で漏れた水が常に土壌に供給されている証拠です。さらに症状が進行すると、漏水によって土が流され、地面が陥没することもあります。 もう一つの確実な確認方法が「水道メーターのチェック」です。家の中の蛇口を全て閉め、水を使っていない状態で、屋外のメーターボックスの蓋を開けてみてください。メーターの中にある、パイロットと呼ばれる銀色の円盤やコマが少しでも回転していれば、それは宅内のどこかで水漏れが起きていることを示しています。これが、地中での漏水を発見する最も確実な方法です。 屋外の水道管が破裂する主な原因は、やはり経年劣化による配管の腐食やサビです。加えて、地震による地盤のズレや、近くで行われた工事の振動、あるいは成長した木の根が配管を圧迫して破損させることもあります。 もし、これらのサインに気づいたら、すぐに屋外の止水栓を閉め、自治体の指定を受けた「指定給水装置工事事業者」に連絡してください。地中の配管工事は、地面を掘り起こすなど専門的な技術が必要であり、素人が手を出せる領域ではありません。放置すれば、家の土台を緩ませるなど、取り返しのつかない事態にもなりかねません。定期的に水道メーターをチェックする習慣をつけ、見えない場所からのSOSを見逃さないようにしましょう。