トイレのリフォームを計画する際、多くの人がまず便器の交換に意識を向けがちです。しかし、リフォームの満足度を最大限に高めるためには、便器だけでなく「床と壁」の内装も一緒に新しくすることを強くお勧めします。一見、余分な出費に思えるかもしれませんが、これには見た目以上の、多くのメリットが存在するのです。 最大の理由は、衛生面の問題です。長年使ってきたトイレの床や壁には、目に見えない尿の飛沫や雑菌が染み付いています。特に、便器と床の接合部分の隙間は、汚れが溜まりやすく、悪臭の原因となっていることも少なくありません。便器を交換する際には、一度便器を床から完全に取り外すため、この普段は掃除できない部分を徹底的にきれいにし、新しい床材に張り替える絶好の機会なのです。ピカピカの便器と、汚れが染み付いたままの床や壁では、せっかくのリフォーム効果も半減してしまいます。 次に、費用の面でもメリットがあります。便器の交換と内装工事を別々のタイミングで行うと、その都度、職人の出張費や養生費などの経費がかかってしまいます。しかし、同時に行えば、これらの諸経費は一度で済みます。また、便器を設置した後に内装を張り替えようとすると、便器周りの狭いスペースでの作業が非常に困難になり、仕上がりが悪くなったり、追加の工賃が発生したりする可能性があります。トータルコストと仕上がりの美しさを考えれば、同時に行う方が断然お得なのです。 そしてもちろん、デザイン面での効果は絶大です。新しい便器のデザインに合わせて、壁紙や床材を選ぶことで、トイレ空間全体を統一感のある、おしゃれで心地よい場所に一新することができます。暗く狭い印象だったトイレが、明るく清潔感のある空間に生まれ変われば、日々の満足度は大きく向上するでしょう。 トイレリフォームは、単なる設備の更新ではありません。毎日使う場所だからこそ、衛生面、費用面、デザイン面の全てにおいて、最も効果的な方法を選択すること。それが、床と壁の同時リフォームなのです。
トイレリフォーム、床と壁も一緒にやるべき?