蛇口の水が止まらない、トイレが詰まって溢れそう。水道トラブルは、なぜか私たちが最も無防備な深夜や休日に限って発生することが多いものです。管理会社や馴染みの水道屋さんも営業時間外。パニックになり、「今すぐ来てくれる業者ならどこでもいい」と焦ってしまいがちですが、その判断が、法外な料金を請求される「ぼったくり被害」の入り口になる可能性があります。 深夜や休日の緊急対応を謳う業者の多くは、通常料金に加えて「深夜料金」や「休日割増料金」を設定しています。これはある程度仕方のないことですが、問題は、その料金体系が不透明な業者や、足元を見て不当に高額な請求をしてくる悪徳業者が存在することです。 もし、深夜や休日に水道トラブルに見舞われたら、まず何をすべきでしょうか。第一に、可能な限り「応急処置」を施し、朝まで、あるいは休日明けまで時間を稼ぐことです。水漏れの場合は、屋外の止水栓(元栓)を閉めて、水の供給を完全に断ちます。これさえできれば、被害の拡大は防げます。トイレの詰まりの場合は、それ以上水を流さないようにし、便器から水が溢れないようにすれば、急を要する事態は避けられます。 しかし、どうしても今すぐに対処が必要な場合もあります。例えば、マンションで水漏れが階下にまで影響しそうな時などです。その際は、業者に連絡する前に、いくつかの準備をしておきましょう。まず、トラブルの状況をできるだけ正確に把握し、電話で伝える内容を整理します。そして、業者に連絡した際には、必ず「作業前に、料金の総額がわかる見積もりを提示してくれるか」「見積もり後の追加料金は発生しないか」を確認してください。この質問に曖昧な答えしか返ってこない業者は、避けるのが賢明です。 また、可能であれば、複数の業者に電話をかけ、対応や料金の目安を比較するのも有効です。緊急時であっても、一つの業者に固執せず、冷静に比較検討する姿勢が重要です。 深夜・休日の水道トラブルは、私たちの冷静な判断力を試す試練です。まずは応急処置で時間を稼ぎ、やむを得ず業者を呼ぶ際も、料金の確認を徹底する。この二つの原則を忘れずに、悪徳業者の被害から身を守りましょう。