トイレの便器の水位が、日によって高かったり低かったりする。あるいは、水を流した後の水位が、いつも同じ位置で止まらない。このような水位が安定しない状態は、見ていて気持ちの良いものではありませんし、何らかのトラブルが隠れているサインかもしれません。専門業者を呼ぶ前に、まずは自分でできる範囲で、原因を探ってみましょう。 まず、最初にチェックすべきは「トイレタンクの内部」です。 一つ目のポイントは、「補助水管」の位置です。タンクの蓋を開け、オーバーフロー管(太い管)に差し込まれている細いチューブが、きちんと固定されているかを確認します。この管が外れていると、便器への水の補充が不安定になり、水位が低くなる原因となります。 二つ目は、「フロートバルブ」の状態です。タンクの底で水をせき止めているゴム栓のことですが、これとレバーを繋ぐ「鎖」が、タンク内の他の部品に引っかかっていないかを確認してください。鎖が引っかかると、バルブが完全に閉まらず、水が漏れ続けたり、逆に開ききらずに水の流れが悪くなったりして、水位が不安定になります。 次に、チェックすべきは「排水管の詰まり具合」です。 トイレットペーパーの使いすぎなどで、排水管が詰まりかけていると、水を流した際の水の引き込み方が毎回変わり、結果として便器に残る水位も変動することがあります。もし、流れが悪いと感じるなら、ラバーカップを試してみる価値はあります。 そして、意外な原因となるのが「家全体の水圧の変化」です。 マンションの高層階などでは、他の住人が一斉に水を使う朝夕の時間帯に、全体の水圧が低下することがあります。これにより、タンクに水が溜まる勢いや時間が変わり、結果として水位が微妙に変化するように感じられることもあります。この場合は、トイレ自体の故障ではありません。 これらのセルフチェックを行っても、水位が明らかに異常であったり、改善しなかったりする場合は、ボールタップの故障や、排水管の深刻な詰まりなど、専門的な診断が必要な問題が考えられます。その際は、無理に自分で解決しようとせず、速やかに専門の水道業者に相談するのが最も安全で確実な方法です。