いつもと同じように生活しているはずなのに、なぜか今月の水道料金だけが、先月と比べて不自然に高い。検針票を見て、そんな経験をしたことはないでしょうか。これは、単なる使いすぎではなく、家のどこかで「水漏れ」が起きていることを知らせる危険なサインかもしれません。放置すれば、水道代が無駄になるだけでなく、建物を傷める深刻な事態にもつながりかねません。 水道料金が急増した場合、まず疑うべきは「目に見えない場所での水漏れ」です。壁の中や床下、あるいは地中に埋まっている水道管から、常に少量の水が漏れ続けている可能性があります。蛇口からのポタポタ水漏れも積もり積もれば大きな量になりますが、料金が数千円から一万円以上も跳ね上がっているような場合は、より深刻な漏水を疑うべきです。 この見えない水漏れを確認するための、最も確実で簡単な方法が「水道メーターのチェック」です。まず、家の中の蛇口を全て閉め、洗濯機や食洗機なども含め、水を使っていない状態にします。その上で、屋外にある水道メーターのボックスの蓋を開けて、メーターの中を注意深く見てください。 メーターの中には、「パイロット」と呼ばれる、小さな銀色の円盤やコマがあります。これは、ごくわずかな水の流れにも反応して回転するようにできています。もし、家の中で水を使っていないにもかかわらず、このパイロットが少しでも回転していれば、それは宅内のどこかで水漏れが起きている決定的な証拠です。 パイロットが回っていることを確認したら、次に原因の切り分けを行います。トイレのタンクの止水栓を閉めてみて、パイロットの回転が止まれば、原因はトイレタンク内の部品の劣化による水漏れである可能性が高いです。もし、それでも回転が止まらない場合は、給湯器や、壁の中・地中の配管からの漏水が疑われます。 ここまで確認できたら、速やかに専門の水道業者(指定給水装置工事事業者)に連絡し、調査と修理を依頼しましょう。水道料金の異常は、家が発するSOSです。そのサインを見逃さず、早めに対処することが、あなたの大切な財産を守ることに繋がります。
水道料金が急に高くなった!その原因と確認方法