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水道トラブル、業者選びで失敗しないためのポイント
蛇口の水漏れやトイレの詰まりなど、水道トラブルは突然やってきます。緊急性が高いため、多くの人は焦ってインターネットで検索し、最初に出てきた業者に連絡してしまいがちです。しかし、この「焦り」が悪徳業者の思うツボ。後から法外な料金を請求されたり、ずさんな工事をされたりといったトラブルに巻き込まれないために、信頼できる業者を選ぶための重要なポイントを理解しておきましょう。 まず、基本中の基本となるのが「複数の業者から見積もりを取る」ことです。これを「相見積もり」と言います。最低でも二社から三社に連絡し、料金や作業内容を比較検討してください。この時、電話口での概算料金だけでなく、実際に現場を確認した上で詳細な見積書を作成してくれる業者を選ぶことが重要です。信頼できる業者は、状況を見ずに正確な料金を提示することはできない、ということを知っています。 次に、その見積書の中身をしっかりと確認します。基本料金、出張費、作業費、部品代など、料金の内訳が明確に記載されているでしょうか。「作業一式」などと大雑把な記載しかない場合は要注意です。また、「見積もり後の追加料金は一切かかりません」と明言してくれるかどうかも、優良業者を見極めるポイントです。作業を始めてから「これも必要」「あれも交換しないと」と、次々に追加料金を要求する手口は、悪徳業者の常套手段です。 広告の文言にも注意が必要です。「業界最安値」「今だけキャンペーン価格」といった甘い言葉に惑わされてはいけません。表示されているのは、ごく簡単な作業の最低料金であり、実際には様々な名目で料金が加算されるケースが後を絶ちません。広告の安さではなく、料金体系の透明性で業者を選びましょう。 さらに、業者の信頼性を裏付ける情報を確認することも大切です。会社の所在地が明確か、ホームページに施工事例や実績が掲載されているか、そして万が一の事故に備えて「損害賠償保険」に加入しているか。これらの情報は、その業者が誠実に事業を行っているかどうかの判断材料となります。 水道トラブルは緊急事態ですが、そんな時こそ冷静な判断が求められます。焦って一社に決めず、これらのポイントを落ち着いてチェックすることが、結果的にあなたのお金と安心を守ることに繋がるのです。
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賃貸の水道トラブルはまず管理会社へ連絡を
賃貸マンションやアパートで、トイレが詰まったり、蛇口から水が漏れたりといった水道トラブルに見舞われた時、多くの人はパニックになり「すぐに業者を呼ばないと」と焦ってしまうかもしれません。しかし、その行動は一度立ち止まってください。賃貸物件における水道トラブルの対応には、持ち家とは異なる重要な鉄則があります。それは、「何よりも先に、管理会社や大家さんに連絡する」ということです。この手順を間違えると、本来は払う必要のなかった高額な修理費用を、自己負担させられる可能性があります。 なぜ、自分で業者を探してはいけないのでしょうか。その理由は、部屋に備え付けられている蛇口やトイレ、給湯器といった設備の所有権が、入居者ではなく大家さんにあるからです。そして、民法では、大家さんは入居者が問題なく生活できるよう、設備の機能を維持する義務を負っていると定められています。つまり、長年の使用による経年劣化で水道設備が故障した場合、その修理責任と費用は、原則として大家さん側が負担すべきものなのです。 もし、あなたが良かれと思って勝手に業者を呼んで修理してしまうと、大家さんから「聞いていない」「その金額は高すぎる」などと言われ、費用の支払いを拒否されてしまうケースが少なくありません。 もちろん、この原則には例外があります。それは、トラブルの原因が「入居者の故意または過失」による場合です。例えば、トイレットペーパー以外の固形物を流してトイレを詰まらせたり、蛇口に無理な力を加えて破損させたりした場合、その修理費用は入居者の負担となります。しかし、その原因がどちらにあるのかを自己判断するのは危険です。 たとえ自分のミスかもしれないと感じた場合でも、まずは管理会社に連絡するのが最善の策です。管理会社は提携している業者に依頼するため、不当に高額な請求をされるリスクを避けられます。また、状況によっては火災保険が適用できるケースもあります。 賃貸での水道トラブルは、焦りは禁物です。まず管理会社に第一報を入れ、その指示に従う。それが、あなたの金銭的な負担と精神的なストレスを最小限に抑えるための、最も賢明な行動なのです。