水道トラブルは、一度起きてしまうと修理費用もかさみ、日常生活に大きな支障をきたします。しかし、実はその多くは、日々のちょっとした心がけや、簡単なメンテナンスで未然に防ぐことができるのです。業者を呼ぶような事態になる前に、今日から始められる水道トラブルの予防法を実践し、住まいの健康を維持しましょう。 まず、最も詰まりトラブルが起きやすいキッチンでは、「油を直接流さない」ことが鉄則です。揚げ物に使った油はもちろん、炒め物や煮物の残り汁に含まれる油も、排水管の中で冷えて固まり、石鹸カスなどと結合して、頑固な詰まりの原因となります。調理後のフライパンや鍋は、キッチンペーパーなどで油を拭き取ってから洗う習慣をつけましょう。また、定期的に四十度から五十度程度のお湯をシンクに溜め、一気に流すことで、配管内の軽い油汚れを洗い流す効果も期待できます。 次に、浴室と洗面所では、「髪の毛を流さない」ことが最大の予防策です。排水口には必ずヘアキャッチャーを設置し、そこに溜まった髪の毛は、入浴や洗顔のたびにこまめに取り除くようにしてください。このわずか数秒の手間を惜しむことが、髪の毛がヘドロ状に固まるのを防ぎ、詰まりのリスクを劇的に減らします。 トイレでは、「トイレットペーパー以外は流さない」という基本ルールを家族全員で徹底することが重要です。「水に流せる」と謳われているお掃除シートやペット用品も、実際にはトイレットペーパーほど簡単には分解されず、詰まりの大きな原因となります。 そして、家全体の水漏れトラブルを防ぐために有効なのが、「止水栓の定期的な動作確認」です。屋外の元栓や、各水回りの止水栓を、半年に一度程度、ゆっくりと開閉してみてください。これにより、いざという時にバルブが固着して動かないという事態を防げます。 これらの予防法は、どれも特別難しいものではありません。しかし、日々の暮らしの中で当たり前の習慣として根付かせることで、突然の水道トラブルに見舞われるリスクを大幅に減らすことができます。トラブルが起きてから後悔するのではなく、起きないように備えること。それが、最も賢明な住まいの管理術です。
自分でできる水道トラブルの予防法